きまぐれコラム

  焼酎好きの酒器




黒ジョカとぐい飲み
 焼酎好きにはお勧めの飲み方に“燗”があります。
そして、この燗をするときに使うのが、鹿児島の酒器「チョカ」と呼ばれるものがあります。

チョカとは、平べったいボディに短い脚が3本ついた土瓶の事です。漢字では「茶家」又は「千代香」もしくは「千代家」と書き、琉球の「茶家(チャーカァ)」がルーツといわれています。
一般的に知られている「黒ジョカ」は、薩摩焼の陶器で黒色をしたものですが、高級バージョンとして白薩摩の「白ジョカ」もあります。また、最近では美濃焼などの酒器も安価で出回っています。

そして、黒ジョカに入れる酒は、割り水した焼酎です。(注:焼酎は、飲む前日に焼酎6:お湯4など、自分の好みの割合で割り水したものを使うとよいでしょう)。

その黒ジョカを囲炉裏の端や火鉢の灰の上に直接置き、ゆっくりと人肌ほどのあたたかさに温めます。そうすることで、酒器の中で対流が起こり焼酎に含まれる雑味成分が飛び、焼酎と水がよくなじみ、まろやかな味わいと香りをじっくり味わうことができるのです。
独特のあの平べったいボディは、そのときに倒れないためにとか、熱の伝わり方を早くするためといわれています。また、温め過ぎると焼酎のコクや香りが変化してしまうので、くれぐれも温度管理には注意してください。(人肌の温度がベストらしいです)
(日本酒のように、熱い湯の中に焼酎を入れた器を入れて燗付けし、「チョカ」に移す事もあります。)

 ちなみにこの黒ジョカ、使い終わっても水洗いはしません。焼酎の味が酒器に染み込むようにと、使い込んでいくのです。
黒ジョカを使い込み、器を育てるのも、焼酎好きならではの楽しみといえます。

※前割りは、作ったご自身と同居されているご家族の方のみでお愉しみください。 
(酒税法:法43条11項を参考にしてください)

 さらに、徳利のような形をしながらも胴部分は丸く、そこに急須のような注ぎ口がついている酒器があります。その名も「カラカラ」と言います。
沖縄から薩摩に伝わった酒器といわれています。
面白いことに沖縄南部から北部に行くつれて背が高く、胴部分がスマートになり、素材も陶器から磁気に変わったり、華やかな色柄ものが作られているようです。

「カラカラ」という名前の由来は、いくつかありますが、昔に作られたものには中に小さな陶の玉が入っており、お酒を注ぐたびにカラカラと音がしたからというものや、宴会のとき空の酒器を渡すのは失礼にあたるので、中に酒が入っているかどうかカラカラと振って試したからだともいいます。また、沖縄では「借りる」ことを「カラ」というため、宴席で酒器を回してもらう際に「カラ、カラ」といったからだともいわれています。いずれにしても、人が集まり焼酎を楽しむシーンには欠かせない酒器だったようです。

酒器(カラカラ)酒器(鳩ジョカ)ぐい飲み(ソラキュウ)

 これ以外にも、宮崎には「鳩ジョカ」=「鳩徳利」と呼ばれる酒器があります。
これはチョカの変形、もしくはカラカラの変形とも言われています。徳利が横に寝そべったような形をしており、口の部分がやや上を向き、背の部分に持ち手がついています。その形が、鳩が座っているように見えることからその名がついたそうです。

猪口でユニークなのは「ソラキュウ」。猪口の先が尖っており、まるでコマのような形をしています。
テーブルに置くと、ころりと転がってしまいます。そのような訳で、お酒を注がれたら飲みきるまで置くことができません。
「そら」と差し出されたら、「キュッ」と飲み干す。そのことから、「ソラキュウ」と名がついたそうです。また、このソラキュウの底に小さな穴があいているものもあります。これは酒がこぼれないように指で穴を押さえながら、きゅっと飲み干すものです。酒好きな熊本人が作ったユニークな酒器ですが、飲み過ぎには注意しましょう。

このような多種多彩な酒器が生み出されているのも、昔より日本人が焼酎というお酒を心から愛しているからといっても過言ではないでしょう。美味しい焼酎+こだわりの酒器で、毎晩の晩酌も、より充実したものになりそうですね。

では、今宵も愛用の「黒ジョカ」と「ぐい飲み」で晩酌といきますか!